【徒然読書記録#2】竜馬がゆく!

今回は、歴史小説の巨匠『司馬遼太郎』先生の長編小説のひとつを振り返ります。
全8冊の長編小説でしたがハマると止まらなくなるので注意です笑
 
 
一貫して自分を曲げず、大事業を果たすためにいかなる困難も悠々と独自のアイデアを以て切り抜けていく様はかっこいいの一言に尽きるというとこと、また、どんな相手であっても分け隔てなく接する器の大きさがあり、男女問わずモテるというところで憧れの対象になるのも納得といったところでした。
 
全8巻の中で、「人の命は事をなすためにある」という言葉が何度も出てきます。この言葉が竜馬の信念そのものであって、この信念を元に日々の行動や考え方が形成されているのだと思いました。
 
竜馬が脱藩した頃に残した「日本を洗濯する」という言葉も、自分自身の生命が大事業をなすためにあるという信念から来た言葉だと感じました。
 
また、だからといって生に執着するのではなく、いつでも死ぬ覚悟ができているという点も興味深かったです。
 
大事業をなすにあたっては、途中で倒れることは後悔ばかりになるのではないかとも思うんですが、死は天が与えるもので途中で死ぬことがあっても前のめりに倒れるという様な気概が感じられました。
 
これは、この生に執着せず、自分自負がなすべきことをなすという思考は、坂本竜馬だけでなく吉田松蔭や高杉晋作など他の偉人においても言えることだと思い、これくらいの気概で打ち込まないければ大事業はなせないのか感じました。それと同時に、この考え方はまさに個ではなく、他を優先した思考であるとも思いました。
 

「人は何のために生きちょるか知っちょるか。事をなすためじゃ。ただし、事をなすにはあたっては、人の真似をしちゃいかん。世の既成概念をやぶる、というのが真の仕事というものだ」

 
竜馬が、他の偉人と違うなと感じた点としては、竜馬自身が一藩士ではなく一人の日本人という意識を持って国事に奔走していたという点です。この様な藩よりも日本国を思う精神の背景には、土佐藩の上士と郷士の間にあるヒエラルキーや、早くから脱藩したこと、ことごとく国事に奔走した志士(主に郷士)に対する藩主および藩の対応から、従藩意識というのは皆無になったのではないかと感じました。
 
この本を通して、当時の土佐藩の内情や、武智半平太、中岡慎太郎などの働き、そして同時期に薩摩藩長州藩がどの様な動きをしていたのか、そして、西郷隆盛小松帯刀岩倉具視などの人物像についても知ることができ、勉強になりました。
 
この本を読むことで、大政奉還辺りまでの薩長土の大まかな動きがわかり、何よりも坂本竜馬=カッコいい!になる。そんな8冊でした!
 
バイバイ
 
竜馬がゆく(一) (文春文庫)

竜馬がゆく(一) (文春文庫)